<句碑の径>
梨の花郵便局で日が暮れる 朗人



取材記
天竜川が深い谷間を抜け、浜松平野に流れ出すあたり、
天竜浜名湖鉄道の豊岡駅から敷地川沿いを遡った所に、
永安寺はある。あると言ったが、実は平成18年、火災に
遭い、本堂を失ってしまった。参道から見上げた寺門の奥
には、ぽっかりとした空間だけがあり、そのまま裏山が見
渡せる。しかし住職や近隣の人々の手入れにより、寺は荒
れ果てることはない。取材に訪れたこの日も、丁度植え込
みをきれいに刈っているところだった。
有馬主宰は、戦中この寺の敷地内に両親と疎開していた
という。中学校へは、かなりの道のりを、歩いて通っていた。
またこの地で、主宰は父上を亡くされた。本堂裏で、荼毘
に付されたと聞く。
このあたりは、その頃と余り変わらない、長閑な景色が今
も残されている。
(2007/8/4 取材)
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